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気候カジノ読み終えた

去年くらいに本屋で買った。ウィリアム・ノードハウス著「気候カジノ」を読み切った。

長かった。

 

この本は、地球温暖化という環境問題に対して、気候科学だけでなく、経済学や、政治学なども踏まえた、現実的な地球温暖化対策を追求する本である。

 

大学時代にそのあたりのことをちらっと勉強していたので、気になって買ってしまった。

 

最初に、地球温暖化って本当に起きてるの、人間が起こしているの?という疑問に対して、気候モデルというものを用いて、答えている。未来の予測をするものだ。便利に聞こえるが、それが本当にあっているのかはわからず、不確実なものだ。こういったモデルがたくさんあるが、そのほとんどで人間のせいで地球温暖化が加速しているという結果が示されている。

 

人為的に地球温暖化は起こっているということを、いろいろな側面から検証している。そして、地球温暖化がもたらすものを、経済的に評価している。

 

ハリケーンの発生率が上がり、南極の氷が解けて海面が上昇する。これらによっておこることを経済的に評価している。結果として、筆者は地球温暖化によって作物の収量UPなどのメリットがあるものの、ハリケーンなどの被害や海面上昇による土地の低下、サンゴの白化などにより、経済的な被害のほうが大きいと判断する。

 

何よりも恐ろしいのは、それらがいつ、どこで、どれくらい、人間に被害を及ぼすのかがわからないということだ。2度温度上昇したタイミング?4度?はたまた全然被害がないかもしれない。それが予想できないというのだ。

最新の科学をもってしても…

 

そして、この予想できない未来について、我々がどのような対策をとるのか、それを筆者はカジノにたとえ、本書のタイトルの「気候カジノ」というワードが生まれている。

 

今一番考えられるのは、2℃以内であれば、回復可能な気候変動だが、2℃を超えると一気に気温が上昇し、今までの地球には戻らないのでは?と考えられている。恐ろしい話だ。

 

これらについて述べた後、じゃあいったいどうすれば解決できるの?という点に目を向ける。

 

筆者の答えは単純明快だ。「炭素税」の導入だ。市場の原理に任せて、二酸化炭素の排出に税金をかけるのだ。そうすることで、みんなが二酸化炭素は排出しないようにする動きが活発化し、二酸化炭素の排出に規制が勝手にかかっていくだろう。単純かつわかりやすいし、国としても税収UP につながるから非常にやりやすいだろう。

 

問題は、影響を受ける石油産業や、電力会社などの反対と、増税に対する反対だろう。

 

そして、最大の問題は、これを全世界で一律に導入するべきだ、というのだ。そうしないと、効果は発揮できないし、無意味なものに終わってしまう。

 

いわゆる先進国だけでは、地球の温度上昇を止められない、全世界の国で25ドル/tonの税金をかけることで、やっと地球温暖化を2.5℃以内の上昇で終わらせることができる。

 

たぶん、これはできないと思う

 

未来に配して、僕たちは今の地球とは全然変わる世界で生きていかなくてはいけないのかもしれない

 

熱帯の病気がヨーロッパではやる。ロシアが温かくなり暮らしやすくなる。熱帯は住むには暑すぎる場所になる。日本は台風だらけですめたもんじゃない。

 

こんな世界がいずれ来るのかもしれない。そうなっては、どう生きていくか考えなければいけない。

 

技術革新によって、超低炭素社会になって、何の問題もなく暮らしているかもしれない。

戦争が起こってそれどころじゃないかもしれない。

 

未来は怖い

 

いろいろ考えながら生きていこう。